はじめに
こんにちは!ゴムっちです。今回は先日あらためて行った「ゴムシートのニオイを消す実験」をレポートしたいと思います。
便利なゴムシートですが、強いニオイのある商品は換気の良い場所で使わないとゴムのニオイが充満してしまうなど困った特徴もあります。今回は、あらためてゴムのニオイを抑える方法を検証していきました。
1:結果発表!
今回は結論から先にレポートしたいと思います。
ゴムのニオイを完全に消す。というのは難しいですが、いくらかマシにすることはできました。
今回成功した方法は2つありました。
<1:酢に浸ける方法>
この方法は少し面倒でしたが、一番ゴムのニオイが減った印象でした。
ただし、代わりに酢の匂いが残ります。マヨネーズのような香りのゴムシートになります。
やり方は、50度のお湯500mlに対してお酢を大さじ2杯の割合で混ぜた液に2時間ゴムシートを浸すというものです。
詳しい方法は下の「検証」でご紹介しますね。
<2:洗剤を混ぜた水に浸ける方法>←オススメです!
この方法は手軽でおすすめでした。酢と比べて若干効果は薄いですが、手軽さが全く違います。
酢のニオイはつきませんが、代わりに洗剤のニオイが少し残りました。
やり方は、洗剤を混ぜた水にゴムシートを入れるだけです。そのまま1日放置しました。
2:検証の前に
実は私たちが取り扱うゴムシートの中にはニオイが抑えられていたり、ほぼニオイがしない商品もあります。そういった商品はゴムシート自体の製造段階で特別な方法を使って製造することでニオイを低減しています。
屋内にゴムを敷きたいけど、ニオイが気になる!という場合の一つの解決としてニオイを低減したゴムは有効なのです。
3:検証
では、ここからは今回の「ゴムシートのニオイを消す実験」の全貌をお届けいたします。
まず、今回の実験に使ったゴムシートと道具をご紹介します。
「天然ゴム両面エンボスタイプ」
天然ゴム両面エンボスタイプとは、強いゴムのニオイがある天然ゴムシートで、両面に滑り止め用の細かな凹凸を施した商品です。水に濡れても一定の滑り止め効果のあるゴムシートで、様々な場所の養生シートとしてご活用いただいております。
「お酢」
今回はスタンダードなお酢を用意しました。
「重曹」
掃除から料理まで幅広く使えるお得なサイズを購入しました。大きなサイズを買っておいて良かったです。(結構消費しました)
「ケトル」
50度のお湯を作るために用意しました。
「バケツ」
浸けおき用です。なんでも良いのですがゴムを入れられる大きさのものを選びました。
「重量計」
水の重さから必要なお酢と重曹の量を計算するために使用しました
「温度計」
水温50度の測定に使用しました(後からわかりましたが、50度にするのは重曹を溶かすためでした。なので厳密に測る必要はなさそうです)
「大さじ」
500mlに対して大さじ2を測るために準備しました。
「その他」浸けた後のゴムを拭いたりゴムを洗う洗剤も準備しました。
<検証1>重曹+酢に浸ける方法…×
まず、ゴムのニオイを消す方法として有力視されていた方法から試してみました。
50度のお湯500mlに対して、お酢と重曹を大さじ2杯ずつ溶かし、その中にゴムを2時間浸けるというものです。
50度のお湯を作るのが結構大変ですが、これは重曹をしっかり溶かすためなので厳密に50度でなくても50度くらいで良いようです。
思ったよりたくさんのお酢と重曹をつかいましたが、結果としてこれは上手くいきませんでした。
天然ゴム両面エンボスタイプの表面の細かな凸凹に気泡が張り付いて膜のようになってしまい、酢が十分に行き渡らなかったのではないかと思います。
ゴムがノンスリップタイプの時はこの方法ではダメでした。
<検証2>洗剤で洗ってから重曹+酢に浸ける方法…×
検証1の実験中にゴムシートを水につけてみたのですが、その時も表面に気泡がついてしまいました。ゴム表面の油膜に弾かれて気泡ができている可能性があったので一度洗剤で洗ってみたところ、水に入れても気泡が付きませんでした。
それならば、ということで一度洗剤でゴムを洗ってから、あらためて重曹+お酢につけてみましたが、結果は同じく×でした。単なる水ではなく重曹を混ぜた液では、洗っても表面に気泡がつきやすくなり、結局空気の膜ができてお酢がゴムにほぼ接触しなかったのです。
<検証3>洗剤で洗ってからお酢につける方法…△
これは、検証2の途中で思いついたのですが、重曹は主に表面の油を落とす役割で入れているということでしたので、表面の油を洗剤で落として、それをお酢を薄めた液に浸してみました。
2時間浸して引き上げてみましたが、なんとゴムのニオイが少しおさまっていたのです!!しかし、代わりにお酢のニオイがつきました。お酢のニオイが嫌いでなければ効果的な方法でした。
<検証4>検証3を1日浸けてみる方法…◯
これは、上記の検証3を引き続き次の日まで浸けっぱなしにしておくだけです。ニオイは2時間つけたものよりおさまっていましたが、お酢のニオイもしっかりと染み付いていました。
<検証5>薄めた洗剤に浸けてみる方法…△
お酢のニオイがキツイ。という場合、お酢が使えませんので試しに洗剤を薄めて浸けてみました。これは、明確に他と差のある結果になりました。
なんといっても、準備がとても楽です。お湯の温度も図らなくて良い。水を汲んで洗剤をワンプッシュ混ぜるだけです。
一番の違いは気泡でした。洗剤を薄めた液は、ゴムを入れた瞬間から表面の気泡がプクプクと少しずつ剥がれていったのです。
いちいち事前に洗わなくても、そのまま浸けておけば1〜2分で気泡が全くない状態になりました。2時間浸けて取り出したところ、お酢とまではいきませんが、ゴムのニオイも減少しました。お酢の代わりに洗剤の香りはうっすらついてしまいました。(無臭タイプを買ったつもりが柑橘系の香りのものを買ってしまっていました)
<検証6>検証5を1日浸けてみる方法…◯
これも、上記の検証5を1日浸けっぱなしにしてみるというものです。2時間つけたものより若干ニオイが抑えられたのではないでしょうか。当然洗剤のニオイも少し強くついていました。
<検証7>洗って水に浸ける…×
洗っただけでもニオイが抑えられるのでは?と思い、洗剤で洗った後に水に2時間つけてみました。しかし、こちらはニオイがほとんど残っていました。
<検証8>重曹を溶かした水に浸けてみる方法…×
こちらは、エンボスだけでなくフラットタイプのゴムシートも使って実験してみました。もし気泡が原因なのであればフラットのタイプは消臭できる可能性があるからです。
まずは2時間浸けてみましたが、結果は少しニオイが消えたような気がする程度でした。比較しないとわからない程度です。
<検証9>重曹を溶かした水に1日浸けてみる方法…×
検証8で少し変化があったので1日浸けたらしっかり消臭できるのでは?と期待しましたが、なんと結果は正反対で全く効果なしでした。
長く浸ければ良い、というものでもなかったのです。
4:まとめ
ということで、今回は、よくお問い合わせいただく「ゴムのニオイの取り方」の実験についてまとめさせていただきました。
実験のポイントとして以下の5つのことがわかりました。
・「重曹」には効果がなかった。もし使う場合は、50度程度のお湯でしっかりと混ぜて溶かすのが良い。(500mlに対して大さじ2杯は水には溶けにくい)
・「お酢」はニオイの除去に一定の効果はあるものの、代わりにお酢のニオイがつく。お酢のニオイが気にならないなら一番。
・薄めた洗剤に浸けっぱなしにするのが、案外楽でニオイを抑える効果もあった。(オススメです)
・表面に凸凹があるタイプのゴムは重曹と相性が悪い(気泡がついてしまう)
・洗剤もニオイが残るので、気になる場合は無臭タイプがおすすめ
実験の注意!!
・熱湯を注ぐとゴムが劣化する場合があります。もしお湯を使う時は温度を50度程度まで調整してからゴムを浸けてください。
ゴムシートのニオイが気になって困る!という方は、ご参考いただければと思います。
以上、ゴムっちでした。